このところ自転車に乗っていない理由について
「MINDGAME」の湯浅監督がアニメ化するというので森見登美彦先生の「四畳半神話大系」を読んでみたら大層オモチロかった為、続けざまに「宵山万華鏡」「太陽の塔」「夜は短し歩けよ乙女」と全くもって間違った順番に読破してしまったこの1週間であった。
そういえば「東のエデン」神山監督のインタビューで、監督が先生の大ファンだと語っていた。主人公の苗字とか京都に住んでる(番長ではないが)「パンツ」とか「ジョニー」とか、「エデン」が森見ワールドへのオマージュに満ちた作品であったことを遅まきながら理解した次第である。
時代がかって人を食った漱石翁のような語り口で繰り広げられるのが、当代きっての先鋭的アニメクリエイター湯浅・神山両氏を魅了するのも宜乎な夢幻ファンタジーであり、はたまたひたすら内に向かって自己弁護に暴走する喪男的男汁あふれる妄想であり、今後世に跋扈する唾棄すべき女共のことを同じ名で呼ぶ者がいたら、その舌をことごとくひっこ抜いて回ることを天に誓わざるを得ない程可憐で純粋で愛すべき「不思議ちゃん」の活躍だったりするのだから、頁を繰るのももどかしくその世界に没入し切って降りるべき駅を乗り過ごしそうになること必定の(今朝午前7時30分頃、中央線中野駅で実際に起きた事件である)、通勤の御伴とするには大変リスキーな書物であると言えよう。
さらに、つい2時間ほど前「夜は短し」文庫版を読み終えようとしていた一「エデン」ファン(私のことだが)は思わず驚愕の声を上げたのであったが、未読のご同輩の為にその理由はあえて伏せることとする。まことに世の中というのは繋がっているものだなぁ、日本の出版界もまだまだ捨てたものではないなぁと分に値わぬ偉そうな感慨を得たのであった。
もし未読の「エデン」ファンがいたら是非ともご一読を、但しくれぐれも出版順に読み進められんことをお勧めしたい小説群である。
The comments to this entry are closed.
Comments